知らんぷりでその場を去ろうとすると
「ねっねぇ!!!」
「?!」
突然誰かに呼ばれ
後ろを振り返ると
「猫!猫知らない?!」
なんだなんだ
きゅうにぎゃあぎゃあと喚いて…
「ど、どうかしたんですか?」
「ねこ…毛並みは白くて目は藍色の…猫見なかった?」
一度落ち着いてもう一度聞いてきた。
「白くて…藍色……?」
あれ?見覚えあるな……
確か今朝うちの廊下で横たわって居たあの猫……
「白くて右目の上?下?かなぁ…のどっちかに傷があってあと…少しだけ傷のある猫なら今朝私の家の廊下に横たわって居たから今看病してるんだけど…」
「っ?!それ本当?!今から行ってもいい?!」
「そ、そんな慌てなくても……」
「お願い!今すぐ君の家に連れて行って!!!」
なんでこんなに慌てているの?
「あの…でも学校……」
「そんなの一日くらいサボったっていいでしょ!!いこ!!」
そういって彼は本当に急いで駅へと走り出して行く。
「早く!」
急かされて早く行かないといけないためか、わたしも彼の後に続いて走り出す、
桜が散るとても綺麗な道を私は思いっきり駆け出した。

