すると、ガラスの靴から声がします。


ようやく見つけたよ‥


ようやく見つかった‥





『な、なに?!』


彼女が驚き、ガラスの靴を脱ごうとしますが


ガラスの靴を足から外そうとしても、外れません。


まるで、
ガラスの靴が彼女の足にくっついているようです。



『な、なに、これ??』


彼女はみるみる青ざめます


そして彼女の意思に反して、ガラスの靴を履いた足は、外に出るとどんどんどんどん、
歩き進みます!


彼女には、自分がどこにいくのか
てんでわかりません。

まるでガラスの靴を履いた足だけが、彼女と別の生き物のようです。


何時間も歩いた末-その間彼女は、橋が壊れた川をぐんぐん歩いて渡ったり、工事中の看板を突っ切って歩いたりしましたー、さびれた木造の、1階建ての建物の前につきます。
建物の周りに人気はありません。

建物のドアの上には、靴屋とかいた
ボロい看板があります。