遅咲きの恋は花屋にて。





(いつも私が乗る時間帯って空いてるもんなぁ。)

慣れない満員電車に揺られ、圧迫される。いつのまにか春香はドア側へと押しやられていた。
ヒールで足が痛くなってきた春香は、ドアの方に手をつき、押される体を支えた。

すると、お尻の方に何かが当たった。こんな混雑だから仕方ない、と最初は気にもとめなかった。
だが、確実にそれは春香のお尻を滑るように動いていた。


(…痴漢⁈)


一気に恐怖で体が強ばる。
両手をドアに置いてしまっていたため、その手を振りほどくこともできない。

次の駅まであともうすぐだし、そこで降りよう。そこまで我慢だ。と春香は自分に言い聞かせ、抵抗できずにひたすら耐えていた。