「赤ちゃん、……いた。……多分」

「……ハルナは、どうしたい?」

「……分かんない」

「産む、のか?」

私は首を無言で横に振る。


「オレの気持ち言っていいか?」

私は何も言わずただ焦点の合わない目線を漂わせていた。

「もし本当にいるんなら、産んで欲しい。……堕ろさないで欲しい」

私は頭を垂れながら話すかずにぃに、残酷な気持ちになる。

「……トオル君の子かもしれないよ?」

「はっ!それはあり得ないだろ!」

「どうして、そう断言できるの?」

ベッドから上体を起こすと、かずにぃを睨みつける。