「それだと君が危ない。僕はいいから、これはあなたが被って下さい」

「大丈夫よ。私、腕は良いから。それにあなた医者の免許持ってるんでしょ?」

僕が軽く頷くと、女性はふふっと笑う。

「OK! じゃ、何かあったらよろしく!しっかり掴まってね」

僕は医療カバンを彼女と僕の間に置くと、そっと彼女の脇に手を添える。

「そんなんじゃ、振り落とされるわよ!しっかり、ここに手を回して!!」

彼女は僕の両腕をがっちり掴むと自分のウエストに回した。

見た目以上に華奢でくびれた彼女の腰に、僕は少し動揺しながら手を回す(ごめん。ハルナ)。