その隙に、ガードマンが逃げ出す。

「やらなきゃ、俺たちが確実に殺られてたさ。見ろよ」

キンケイドは、男を足で転がすと懐の銃を見せた。

「こいつ、オレを知ってやがった。オレもずいぶんと有名人になったもんだぜ」

僕は手早く男のジャケットから銃と鍵の束を抜き取る。

それとほぼ同時に非常ベルが棟全体に鳴り響いた。