でも、どれも何も覚えていない。


私は、いつもと様子が違うかずにぃが……

急に…

ただなんとなくだけど……

怖いと思った。


知らない男の人の顔……。


今までと違う……かずにぃの……顔……。





帰りの車の中、二人とも無言になる。

車窓から見える景色が華やかなネオンから見慣れた街の明かりへと変わる頃には、私の体の震えも止まっていた。

家まで後数メートル手前の角でかずにぃは車を止める。

そして、ハンドルを握ったままじっと前を見つめている。

カチカチカチカチと言う音だけが車の中にこだまする。

数台の車が私達の車の横を通り過ぎた後、かずにぃが口を開く。