オレはその夜、吉澤に電話した。

そして、すぐに切り出した。

「お前さ、エンコーしてたって本当?」

「…………」

「ただの噂だよな」

「…………」

彼女の無言に堪えられずオレは電話口で叫んでいた。

「何とか言えよ!!」

それが精一杯だった。

「ごめんなさい……」

彼女は電話の向こうで泣きじゃくっていた。