かずにぃの椅子を立つ音に、私は一瞬、ビクっとなる。

かずにぃは、鍵束とタバコを無造作にGパンの後ろのズボンに押し込むと、


「行くぞ。ハルナ!」


と、私に背を向けながら玄関へと行ってしまう。


訝しげな目で私達を見つめているリョーコさんの目と、私の目が一瞬、絡み合う。


「お、お邪魔しました!」


慌ててお辞儀をすると、足早に出て行くかずにぃの後を追う。