ハルナはしぶしぶオレの横を摺り抜けると、「ごめんね」と呟いて階下へと向かう。

再び、オレが手摺に手を掛け上を見上げると、おじさんの表情からは笑顔が消えていた。

オレはゴクリと息を呑み、永遠に着かないだろうと思われる位、長い長い魔の階段を一歩ずつ覚悟を決めて上って行く。