その日の学校からの帰り道。

オペラグラスで間近に見た藤枝君を思い出し、胸のドキドキが納まらない。

目が……あったような気がしたけど……まさかね。

気のせい!気のせい!

家に着き、玄関の扉を開ける。

「ただいま~」



返事がない。



それに、家中のどこを探してもママがいない。


「お買いものかな?」


2階の部屋に上がり、スクールバッグを肩から下し、再度、リビングへと向かう。

するとテーブルには1通の手紙。

いつもの不吉な予感に、急いで封を切る。