昇降口へ行くと、 もう下校時刻はとっくに過ぎているのに、一人の人が立っていた。 「遅い。」 萩野だ。 なんで…… 「先帰ってて良かったのに……」 目を会わせずに靴を履く。 「おいおい。 命の恩人にその態度かよ。 礼くらい…「ありがとう。」 「…………」 ああ、もう ダメだぁ…… 私の目からポツリと涙が落ちた。