*** 「佐野っ!佐野!」 誰かの声に目を開ける。 「佐々木……先生?」 日本史の佐々木先生だ。 「今何が…… え……」 「痛いところはあるか? お前ら屋上から落ちたんだぞ! 木がクッションになったみたいだったが……」 お前"ら"? 「は、萩野!!萩野は!?」 勢いよく起き上がると、全身に痛みが走った。 「寝ていなさい。 萩野なら保健室だ。」 「っっ!!」 私は先生を振り払って保健室へ走った。