「ちょっと!葉月……!」 「佐野……?」 驚いた沙紀と中谷くんが私のところへ駆け寄ってくる。 不良の萩野の頬をビンタしたとあって クラスの人たちも私が萩野に何されるか不安そうに見ている。 「テメー、何しやがる。」 「バカッ……バカァ……」 泣きそうになるのを必死に我慢する。 涙を流したら負けみたいで、 萩野を睨んで涙を目に留めた。