「すごいね……萩野。 なんかもう、格が違う、って感じ……」 「お前も偉かったじゃん。 泣かなかった。」 「な、泣かないよ! 転んだくらいで……」 そんなんじゃない。 あんなに怖がってたくせに。 怖い目にあったのに。 「ホラ、学校遅刻すんぞ。」 「わ、ヤバッ!」 佐野は少しひきつった笑顔を浮かべて学校の方向へ歩き出した。