「しかたねーな……」 「やっとやる気になったか。」 「逃げるぞ、佐野!」 「わっ、ちょ」 「待て、コノヤロー!」 「怖じ気づいてんじゃねー!」 走り出した俺たちの後を不良グループが追ってくる。 割とはえーな……。 「おい佐野。もっと速く……」 「これでも全力疾走だってばぁ! 女子の中じゃ速い方なんだからねー!」 佐野は既にゼェハァ言いながら走っていた。