「次の問題に答えろ。 まったく……」 「え、っと…… …………」 困り果てた私を見かねて、 後ろの席の沙紀が囁いた。 「南京条約、だよ。」 「『南京条約』です……」 「いいだろう、座れ。」 後ろを振り返って、沙紀と目を合わせる。 にっこりと可愛く笑う沙紀にうっとりしてしまう。 「あんがと。」 「いいから、前向きな。」 ホントいい子だなぁ…… 私は沙紀に言われた通り、前を向いた。