「大丈夫ですか?」 「あら、ありがとね……」 おねえさんと協力して車椅子を持ち上げる。 「非常停止ボタン押すかー?」 後ろからおじさんの声が聞こえた。 「大丈夫です!もうすぐっ……」 遠くに電車が見える。 少し力を強めると、タイヤは溝から外れた。 「よかった……」 「ありがとう、お嬢ちゃん。」 「いいえ。」 おばあちゃんの優しい笑顔に思わず笑顔がこぼれた。