「じゃあまた明日ね。」 沙紀とは家が反対方向だから、 校門を出るとすぐに別れることになる。 「バイバイ!」 「ちゃんと可愛くしてきてね!」 「分かってるー!!」 協力的なのは嬉しいけど、 沙紀は私のことを買いかぶりすぎだ。 セミの声が…… うるさくなったな。 夏は好き。 どこまでも高い空。 いっそ清々しいほどの暑さ。 何よりもなんか元気が出てくる季節だよね。 私は早歩きで家路を急いだ。