もうすぐ夏休みに入る頃。

ガラガラガラガラ
三井が教室に入ってきた。

「HR始まーす!はい、もうすぐしたら夏休みに入ります。そこで、補習がある人を早速発表しちゃいまーす」
「えぇーーー」
「聞きたくない」
「何故、今発表!?」
教室内がざわつき、大ブーイングだった。

「はいはい、分かったからそう喜ばない。では早速、終業式が終わってから始めるから宜しく!!」
三井が笑いながら言った。

「最悪ー!!」
「先生の鬼ー!!」
また教室内が大ブーイング。

「はいはい、じゃあ早速補習組さんの名前を呼びまーす」
三井が補習がある人の名前を呼び始めた。

どうしょ~私、多分補習組な気がする‥。
ユリアは自分が呼ばれないかドキドキしていた。
「河西、木村、熊井、゙佐田”、志村‥‥」
ユリアの名前が呼ばれた。

「はい!以上です。では終業式が終わったら必ず来るように。それでは本日のHR終了~」
三井は教室から出て行きHRが終わった。


「ユリア、補習じゃん」
可南子が少し嬉しそうに言ってきた。
「うん‥」
「明日香は別として、ウチと可南子は多分ギリギリセーフって感じかな」
明日香は学年で10番以内に入るぐらい頭が良かった。

「あ~あ、せっかく海とかプールに一緒に行こうと思ってたのに‥‥あんまり遊べなくなっちゃったね」
「‥うん」
「まぁ、補習組になっちゃったもんはしょうがないよねぇ~」
可南子と真美が残念そうに言ってくれたが、ユリアには2人の言葉が素直に受け止められなかった。
うわべだけそんな風に言って本当は喜んでいるように思えて仕方がなったからだ。

「まぁ、ユリア。補習頑張ってね」
真美の言葉はいつも嫌みっぽく聞こえる。

本当は3人共、私の事なんてどうでもいいくせに。
でも正直、補習になって良かった気もする。
長い夏休み、可南子たちと少しでも会わなくてすむから‥‥。