「恥ずかしいからですよっ!」
なんかよく分からないことを口にした。
「じょ、女性とお付き合いしたこともないのに、好意を持つあなたの前にいるだけで、死ねます。恥ずかしさによる心拍の乱れによって、簡単に逝けます。今もそう。電話で話すだけでも、耳から血が出るのではないかと錯覚するほど恥ずかしいのに、こんな間近で、しかも対面して話すともなれば、恥ずかしさで顔が猿にでもなってしまいます。より自身の恥ずかしさが上塗りされる、人様にお見せできない顔を、どうして好意を持つ女性に見せられますか!恥ずかし過ぎますっ!」
恥ずかしいをここまで連呼する人、初めて見た。
確かに、花の隙間から見える顔も真っ赤なようで。
「目の毒ですので」
と、彼は行ってしまう。
ストーカー理由が、恥ずかしかったから。とは、ネタにでもされたいのか。
まあ、でも。


