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友人ABがお見舞いに来てくれた。

「うわああん!良かったよぅっ、無事で良かったようあああん!」

「他の患者さんに迷惑だから、もう、しょうがないわね。また出直すわ」

お花だけ置いて、五分で帰った。

早いとは言わない。というか、私が入院しているのも、頭打ったからの検査入院で、三日程度で退院出来る。

花なんか、わざわざ用意しなくていいのにと、包装紙に包まれたそれを手に取る。

「花瓶に入れておきます」

と、私のやってほしいことを代弁代行してくれる彼一人。

顔を見ようとしたら、花束で隠された。

「まだ、ストーカーさんでいるの?」

「当面の間は」

「寂しい」

「……」

「あ、迷った」

「困らせないで下さい」

花を一輪抜く。彼の鼻筋と口元が隙間から見えた。

「聞きたいことあったんだった」

ねえ、なんで。

「どうして、ストーカーやっているの?ストーカーって、片思いの人がすることでしょ?」

「自身の行いをストーカーのそれと同じにしないで頂きたいのですが……言わなければなりませんか?」

「言わなかったら、寝るとき全裸族になる」

「……」

口元が強く結ばれたかと思えば、諦めたように開く。


「は……から」

「もっと。お腹から声出して」

「っっ……!」

意を決した口が大きく開いて。