『悪いことをしたならば、源泉徴収票など出ません。見方の説明しようとしましたが、ご存知なのですね』 「父の源泉徴収票で習得済み。でも、これがあなたのものとは限らないよね。名前とか会社名とか、見事に塗りつぶされているし」 『俺の名前が分からないなら、知っても同じことかと』 正論にぐうの音も出ない。 とりあえず、路頭に迷ってはいなさそうだし、むしろ、社会の理不尽さを味わった瞬間でもあった。 【白滝一年分を要求しても心は痛まない金額】