「ん?何だ、小野寺。何か言ったか?」 「いえ…別に何も…」 「そうか…気のせいなら良いんだが…」 心の声が聞こえていたのではないかと、内心ヒヤヒヤしていた圭人。 これ以上、この場にいたらますます立場が悪くなるのではと感じ、そのまま社長室を出て行った。 「待ってろよ、美優。必ず、迎えに行くからな…」 そう言うと、洋輔は社長室の窓から空を眺めていた。