「それに、長谷川社長のような方なら、何も娘に固執することはなくても、直ぐに別の女性が見つかるだろう」 徹也は眉間に皺を寄せながらも、反対であることを洋輔に示した。 それは何が何でも、2人の交際を認めないという徹也の意思表示であった。 そんな徹也の表情に臆することなく、洋輔は微笑んでいた。 そして、洋輔は圭人の名前を呼んだ。 「小野寺」 「はい」 「例の物を…」 「はい。……社長、こちらです」 そう言うと圭人は、鞄から出した封筒を洋輔に手渡した。