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好きだと気づかなければ良かった。




彼女の口から紡がれたその言葉は





俺自身をなし崩しにする言葉であった。





馬鹿馬鹿しかった。





学校は学業優先。





そんなことにうつつをぬかしている場合ではない。





病院のベッドで寝ていた俺はそう思っていた。






しかし今は違う。





守ろうか、と思った。






人に関心を示すほど俺は善人じゃないけれど。





だから、落ちた。






死ぬかもしれないのに。






彼女に嘘をついてまで。





世間はそれを『恋は盲目』と唱える。






人に尽くす自分を恥ずかしいと思った。






もしも、彼女が俺のことを好きだったとしたら





俺はきっと…