「……決心だなんて大袈裟すぎる」 私は言った。 さっきまで涼しげな表情だったリックの顔は、少し真剣さが増した気がした。 「知ってる? ヒトってね、弱いように見えて実はとても強いの。だけど、強いようでとても弱い生き物でもあるんだよ」 自分の中の何かが、消えた。 おそらくこのときの私は、リックの目には少し不気味に映ったかもしれない。 家を囲む塀の上で、世界を真っ白に明るく照らす太陽の光を浴びながら一匹の猫が気持ちよさそうに寝ていた。