「赤髪の男の子、学校で見たことある?」


昼休み。


あたしは最近よく一緒に行動する女子二人に聞いてみた。


関係ないとは思っていたけれど、やはり気になっていた。


「赤髪の男の子?何それ」


「この高校にそんな子いたっけ?」


二人共同じ反応を見せた。


「その子がどうかしたの?」


「あ、もしかして転校生?」


バカ。どうしてそういう発想に走るかな。


「いや違う」だが口には出さない。


「今朝初めて見かけたけど、なんとなく見覚えがあるように感じたから、前からいたのかなって」


「卒業アルバム見れば?ほら、卒業したらもらえるじゃん」


やっぱバカ。それじゃ遅いんだって。


「今知りたいんだけど。本当に知らない?」


再び尋ねるも、やはり反応は先ほどと何も変わらないまま。


二人共、首を傾げるばかりだった。


「……もういいや。あたし、席に戻るね」


こんなんじゃ埒が明かない。


気になるなら自分で調べて突きとめろってか。


…ほんと、いつもいつも、妙な存在があたしの時間を無駄に費やしていくんだから。