あたしも、もう一度殺してあげようか。


どちらか先に殺した方が生き延びる。


“あのとき”も言ったけど、あたしは自分から死ぬなんてできない。


だから、そう簡単に勝たせてあげないから。


あたしはね、ただあんたがこの学校から去ってくれればそれでよかったの。


だから嫌がらせもたくさんしてきた。


いじめが原因で転校したとなれば、そりゃあたしにだって害は出る。


でも、あたしはそれでもよかった。


だけどどうしてだろうね。


あたし、“あのとき”の“あの一瞬”で、あたしはシイナを殺すんだって思っちゃった。


“この学校から”じゃなくて、“この世”からいなくなれって思っちゃったんだ。


自分でもよくわからない。


もしかすると、何でもできそうな予感でもしてたのかもしれない。


今となっては定かではないけれど。


今そんな余裕ぶっこいてたら今度はあたしが殺されちゃう。


いや、もうシイナに殺されるのは確定してるんだけどさ、そんな早くに消されるのもなんとなく嫌じゃん。


あたしをいつ殺すかはシイナの自由にすればいい。


でも。


あたし、隙なんて見せる気ないから。


せいぜい頑張って絶好の機会を見つけることね。