……へえ。


死に際にそんなこと考えてたんだ。


そんな虫の息の状態で。


そんな大怪我で。


そんな血まみれで。


そんな醜い姿で。


シイナ、あんたやっぱ面白いよ。


でもね、シイナ。


残念だけど……あたし臆病だからさ、自分から死のうなんてこと、できないんだよね。


たぶんシイナから見れば、今までのあたしはとても穏やかだったと思う。


でもそれも、臆病がゆえの姿だから。


あんたに近づいたのも、あんたと仲良くしてたのも、全部全部、作りもの。


だけど、あたしは知ってたよ。


あんたがかけてくれた言葉は、この二人のものとは違うって。


あたしの機嫌なんて、あんたには関係なかった。


いつもいつもあたしについてきた。


ほんと、この上なくしぶといひっつき虫だったよね。


でもまあそんな日常も、今思えばそんなに悪くはなかったよ。





だからって「殺してごめん」なんて絶対に言ってやんないけど。