学校は学校で退屈だが、家で何もせずにただただぼんやりとした時間を過ごすのもなかなかなものだった。 することがないせいか、いつも以上に時間の進み具合が遅く感じて、 「時間、戻してるわけじゃないよね?」 とリックに何度も尋ねた。 当然のことながら彼からの返答は 「そんなわけないだろ」 である。 いつもいろいろな思考が絡み合っていた。 だが今日のすることは、ただ一つと決まっている。 考える必要もないから、頭が落ち着いていて混乱せずに済んだ。 心拍数はずっと多いままだったけれど。