「何やってんだ。ほら、帰るぞ」 せっかく下りた階段をまた上ってきたリック。 そしてあの2人の血がついた私の手を迷いなく握り、強引に引っ張るようにリードした。 少しでも気を抜けば一段を踏み損なって転んでしまいそうな勢いだった。 温かい手。 彼はこんなにも優しかったんだ……。 いくら拭っても涙は止まらなかった。 家に着く頃には、目の周りが赤くなっていた。