「俺、昔から存在感がなくてさ」
リックが言った。
「親以外の誰からも相手にされなかった。俺はここにいるのに周りの奴らは無関心。今となっては無関心っていうより、いないものとして扱われてた気がするんだけどな」
私と同じだ。
私もそうだった。
誰にも話しかけてもらえなかった。
自分から動いたって、あしらわれるだけだった。
邪魔者としてみんなの視界から消されていた。
リックがあのとき言っていた“お前と同じ”という言葉は、このことを意味していたのだと、今になってようやく知った。
だけどもっと深く考えれば少し違う。
確かにほとんど同じだ。
でも一つだけ、完全に違っているところがある。



