「…………!」


……知らなかった。


リックがそんなにも近くにいたなんて知らなかった。


同じクラスという狭い空間で、去年から同じ時間を過ごしていたなんて。





そうか。





だからリックは、私の名前もミオとの関係も、私が彼女に落とされたことも知っていたのか。





どうして、私は気がつかなかったのだろう。





今ではこんなにもはっきりと見えているのに……。


どうしてそれよりも前には、彼が目に入ってこなかったのだろう。