こちら側が不安になっていると、それを吹き飛ばすかのように彼は失笑した。 久しぶりに見た、彼の笑顔。 だけどそれは、今までのものとは少しは違う印象を私に与えた。 以前見たときと同様に、その笑顔から無邪気さや可愛らしさは感じた。 けれど以前のもの今回のそれとの大きな違いは、そこに“嬉しさ”が見えたことだ。 「やっと気づいてくれた」 やんちゃな笑顔を見せた後、彼は柔らかく微笑んで、言った。 「いたよ。去年も今年も、シイナと同じクラスだったから」