“彼女なら、自身を落とした犯人がミオであることを確実に知っている”


しかし、この怪我で声を発するなど不可能に等しい。


だが。


……いや待てよ、と少年は考え直す。


これも限りなくありえないが、もしこれが彼女の声ではなく“強い意志”によるものだとしたら……?


少年は、ゼロに近いほんの僅かな可能性に賭けてみることにした。