少年が彼女に声をかけようとすると、頻繁にそういうことが起こった。


初めの何度かは偶然だと思っていたけれど、回数を重ねていくにつれて、これはミオと呼ばれているあの女子生徒による意図的なものだと感じるようになった。


結局少年は、彼女と一言も言葉を交わさなかった。


いや、交わさなかったのではない。


交わせなかったのだ。