階段を降りて、さっきのテンションを吹き飛ばすために、元気良く
「おっはよーございます!」
挨拶をすると、
珍しく春樹さんもリビングにいて、険しい顔をしていた。
準ちゃん以外の全員がいた。
すると、小さな声でりゅーくんが言った。
「…………準ちゃんが…レギュラー番組降板しなきゃいけなくなるかもしれない…」
その小さな声でも、痛いほど胸に刺さる一言だった。
番組降板って……。
「降板って……準ちゃんはなにを…」
驚きを隠せずに情けない声が出てしまった。
すると、りゅーくんが
「実はさっき「部外者に話す必要なんてねぇだろ!」
春樹さんがりゅーくんの話を遮るように叫んだ。
りゅーくんも春樹さんの顔を見て、
「真琴はもう部外者じゃねぇ。いつまでも意地張ってんじゃねぇよ。」
部外者じゃない。今の私には最高の一言だった。そんな場合じゃないのに、嬉しくて少し涙が出そうになった。
すると、春樹さんは
「もうあのこと忘れたのかよ「忘れるわけねぇだろ!!!」
私にはわからない、りゅーくんと春樹さんの、会話だった。でも、大事だってことだけはわかった。
「だ、大丈夫です。無理して言わなくても。何があったのか全くわからないですけど、深刻ってことだけはわかります」
確かにまだ部外者の私に知る資格はない。
それでも、りゅーくんはあーくん、たい兄ちゃんと目を合わせ、私に話始めてくれた。
「準ちゃん今日は朝からライブの計画についての会議があったんだ。
社長とかスポンサーの方とかもいる。
だけど、30分まっても1時間まっても、準ちゃん来なかったらしくて。
スポンサーさんが怒って帰っちゃったみたいで。」
「それになにか番組と関係あるんですか?」
私が聞くなんておこがましいかもしれないけど、私なりに理解しようとする、精一杯の努力だ。
「そのスポンサーさんが準ちゃんがやってる、レギュラー番組のスポンサーでもあるらしくて。
時間も守れない奴に番組なんか務まるかって言われちゃったみたいで。
朝、時間通りに出ていったんだけどな。」

