「ブゥゥゥゥッッ!!」
一口食べて思いっ切り噴き出した。
それもお粥を勧めてくれた沖田さんの顔面目掛けて。
「……ご、ごめっ」
「……あれ?可笑しいなあ。美味しいはずなんですけど」
手拭いで顔を拭った沖田さんの発言に、私の頭に?が浮かぶ。
「これ総司が作ったのか?」
「ええ。山崎さんとお勝手で会って、矢央さんのお粥を作ってると言ってたんですが、稽古中に隊士が怪我をしたみたいで呼びに来た隊士と道場に行っちゃいまして。なので代わりに」
「なに入れたの?」
私の手の中にあるお粥に怪訝そうに顔を歪めた平助さんが覗き込む。
良く見れば、なんていうか……表現し辛い色味をしていますけど。
沖田さん本当にお粥を作ったんですか?
「えっと風邪に良いと聞いた薬草を適当に、それと牛の肝と蛇の皮を煮たものと、それと……」
「もういいよ。それ以上言ったら矢央ちゃん危篤状態になるかもしれないから止めて」
そんなものを口に入れてしまって、ふら~と背後にいた平助さんの胸に倒れ込み小刻みに震える。
これって寒さから?
それとも私死ぬの?
「牛の肝手に入れるの大変だったのに~」
んなこたあ知ったこっちゃない!!



