‘あの日’から、柿原くんは深くを聞いてはこなくなった。


「笑美、本当に大丈夫なのね?」


「ふふ、大丈夫だよー。」


そう答えても、いっちゃんは少し泣きそうな顔をして、蘭ちゃんはこっちを睨んできて。


柿原くんは、やっぱり気になっているのか探るように私を見る。


でも、ごめんね。真実を完璧に隠す術は身に着けてるから。


そう簡単に、掴まさせてあげないよ。


「もー、ほら早く食べてよ!時間無くなっちゃうよー!」


「…そう、だね。食べようか。」


「壱也、」


「蘭、いいから食べよう?」