君と過ごした日

―ガチャ、


「笑美ちゃん!!」


「え、わ、」


ドアを開けた途端に愛衣さんが飛び出して来るから、びっくりして思わず優くんにしがみついちゃった。


「あ、あら?」


「どうしたの、愛衣さん。」


そんな可愛く首を傾げて…。


「お兄さんには会えたの?」


「うん!そこに、」


あれれ、いない?


え、優くんまでいない。


「優くん?お兄ちゃん?」


「ここだよ、笑美。」


あ、いた。


心なしか優くんがげっそりしてる気がするのは気のせいかな。


「愛衣さん、お兄ちゃんだよ!」


「初めまして。澤田彰と申します。笑美がお世話になってます。」


「あら、カッコイイわねぇ。初めまして、柿原愛衣といいます。」


「すみません。いきなりでしたのでこれしか用意出来なかったのですが、」


「まあ、これ駅前に新しく出来たケーキ屋さんのじゃない!」


ううん…。


「お話、長いのかな…。」


いくら日が落ちてきてても、ジメジメして暑い…。


「体調は大丈夫か?笑美。」


「んー、今のところ大丈夫ー。」


まあ、最近は本当に不思議なくらい調子がいいんだけどね。


「先に入ってようか。」


「そうするー。お兄ちゃんのお茶も用意しとこ!」


どうせ、中に入って難しいお話するんだ。