君と過ごした日

「お、ばあちゃんが、死んじゃったの。」


「…、」


「わたしは、優くん達と海に遊びに行ってたんだけど、その時に事故に遭って、打ち所が悪かったみたいで、」


「そうか…。」


そういえば、誰かに話すのは初めてかもしれない。


指先が冷たい。


「お婆ちゃんの荷物の整理してたらね、優くんがお手紙見つけてくれたの。」


「…手紙?」


「うん。それで、色々と知ったの。パパ達はわたしの本当の親じゃなくて、わたしを産んだ人はわたしを捨てたこととか、」


「っ、」


「わたしにはお兄ちゃんがいた事とか、そのお兄ちゃんの連絡先。」


それを、優くんは見つけてくれた。


優くんが居なかったら、わたしはお兄ちゃんに会えなかった。


今も、独りで泣いてた。


「わ、わたしね、体が少し悪くてね、病院の先生に一人暮らしは止めてって言われたの。」


「それじゃあ今は、」


「優くんのお家にいるの。みんな、優しくてね、凄く心配してくれてね。」


「そっか…。」


「お婆ちゃんが死んじゃって、すごく、凄く苦しくてね、息も出来なかったの。」


水の中にいるのかって思うくらい、息苦しかった。


でも、


「でもね、優くんがいてくれるから。傍にいるって言ってくれたから。だからわたしは今、息が出来るの。」