君と過ごした日

「…笑美、」


「ん、なぁに?お兄ちゃん。」


「そこの人は、誰だ?」


目に浮かんだ涙を拭いながらお兄ちゃんの指すほうを見ると、優くんの姿が。


「えっとね、優くんだよ。」


「…、」


「あ、初めまして。柿原優心です。」


あ、あれー?


お兄ちゃん、さっきと雰囲気ちがーう。


「お兄ちゃん、詳しいことは後で説明するから、座ろう?」


空気がピリピリする前に何とかしなきゃ!


「そうだね。話したい事が沢山あるんだろう?」


「うん!」


口調は優しいものに戻ったのに、未だに優くんには鋭い視線。


な、仲良くなってくれるかな…。


「それで?」


「あ、えっとね。」


えっと、何から話せばいいんだっけ。


「笑美、ゆっくりでいい。話せなくなったら俺が話すから。」


優くん…。


「大丈夫。…あのね、お兄ちゃん。」


「ん?」


「わたしが、お兄ちゃんにいきなり連絡したのはね、」


言わなきゃ。


お兄ちゃんにとっても大切な事なんだ。