君と過ごした日

『笑美って、あの、笑美か…?』


「うん。いきなり、電話しちゃってごめんなさい。」


『いや、それは別にいいんだけど。何で笑美がこの番号を…?』


「あ、あのね。」


なんて、言おう。


『…ん?』


優しい声。


お婆ちゃんに似てる。


「い、ろいろと、話したい事があるの。会って話せないかな…。」


お婆ちゃんも、わたしが中々言い出せない時にこんな感じで優しく聞いてくれた。


だから、少し泣きそうになって。


『そっか…。分かった。直ぐは無理だけど一週間後なら。』


「っ、うん!ありがとう!」


そうして、わたしはお兄ちゃんと会うことを決めた。


意外にもお兄ちゃんは近くに住んでいたようで、待ち合わせは、学校近くのカフェになった。


夏休みで人が多いと見つけにくいから、服装をお互いに教えあって。


『…それじゃあ、一週間後に。』


「うん、ばいばい。」


緊張した…。


あ、


「お兄ちゃんに、優くんと会いに行くって言い忘れた…。」


まあ、いっか。