君と過ごした日

お兄ちゃんは何度かおばあちゃんに会いに行こうとしたらしいけど、その時はもう引越しをしていたから、会えなかったんだって言って。


「そ、か…。」


「笑美…?」


大丈夫。


辛い事なんて何も無かった。


隠し事をされてた、だなんて思わない。


色んな事が頭に入ってきて、上手く整理できなくてぐっちゃぐちゃだけど。


でも、嬉しい。


そう思っている事だけは分かるの。


だって、


「お兄ちゃん、か…。」


何度も願った。


わたしに兄弟がいたら良かったのにって。


でもそんなの、お婆ちゃんに言ってもどうにも出来ないから諦めてた。


だけど、お兄ちゃんがいた。


それも、わたしを大切に思ってくれている優しいお兄ちゃんが。


「会いたい、な。」


いつか、


優しいお兄ちゃんに。