｢もういや！愛してくれている人がいないこの世で、どうやって生きろっていうの！｣


おばあちゃんとおじいちゃんもいない。


愛してくれていたパパとママは本当の親じゃ無くて。


本当の親には捨てられているわたしが。


｢こんなわたしが、どうやって生きろっていうの…。｣


心臓が、痛い。


息が、しにくい。


あれ、今までどうやって呼吸してたっけ。


｢っ、はぁ、｣


視界は涙で歪む。


｢は、はぁっ、｣


｢笑美、｣


｢っは、｣


返事が出来ない。


｢笑美、大丈夫。俺がいる。｣


｢ん、｣


｢俺だけじゃない。桐沢も、壱也も、母さんたちもいる。｣


涙は止まらないけど、呼吸はしやすい。


｢俺が、愛してやる。｣


｢っ、｣


ああ、やっぱり。


この人は、わたしの欲しい言葉をくれる。


わたしを、本当に愛してくれる。


｢ゆ、くん。｣


｢…。｣


｢ゆう、くん、優くん。｣


｢ああ、ここにいるよ。｣