この人に抱きしめられると、大丈夫だと言われると、安心するのは。


全てが、本当に大丈夫だと思えるのは。


何故なのだろうか。


「大丈夫だから、何が恐いんだ?」


抱きしめられながら、ゆっくりと背中を撫でられる。


「わ、かんない。」


ただ、全てが恐い。


「手紙を、読んだのか。」


コクリと、頷く。


「とりあえず、入りな。座って話そう。」


優くんに支えられてベッドに二人で座る。


「で?」


「パパとママが、わたしの本当の親じゃ無いって。」


「うん。」


「わたしの本当のお母さんたちは、わたしを捨てたんだって、」


「…うん。」


「そんな事、今知ってもどうしようも出来ないのにっ、」


「…。」


「愛されずに生まれてきた、なんてっ!」


「…っ、」


「捨てるくらいならいっそ、産まなければ良かったのに!」


―ギュッ


息が、つまる。