君と過ごした日

「や、あの。わたし、優くんと一緒が良いです…。」


何かあったとき、頼りやすいもんね。


それに、家具がそろうまでだもん。


家から持ってくるんだし、落ち着くまでだよね。


「そう?それじゃあ、なるべく早く家具を持ってこようね。」


「はい!」


「飲み物出来たわよー。はい、笑美ちゃん。」


「あ、ありがとうございます。」


ピーチティー、冷たくて気持ちいい。


「それじゃ、笑美ちゃん。」


「…はい、」


「おばあちゃんのお葬式の事だけど、」


「あ、その事なんですけど。」


「ん?」


「わたし、おばあちゃん以外に身内いなくて。」


「え、そうなの?」


「はい。おばあちゃんの家族はおじいちゃんだけで、そのおじいちゃんもだいぶ前に亡くなってるんで。」


「笑美ちゃんの御両親たちは?」


「えと、わたし、孤児院に居たんです。」


「え…?」


あ、そういえば、これは優くんにも話してなかったっけ。


「生まれてすぐに預けられて、一週間もせずにおばあちゃん達に引き取られたみたいなんで、何も覚えていないんですけど。」


「そう、だったの…。」


「別に、悲しい事なんてないですよ?親のいない辛さとか、そうゆうの全部忘れるくらい二人はわたしの傍に居てくれたから。」


これは全て本当。


おじいちゃんとおばあちゃんのおかげで寂しくなかった。