君と過ごした日


────────────────


泣き止んだわたしは、優くんたちと柿原家に向かった。


車に乗っている間、愛衣さんたちは色んな話をしてくれた。


優くんの昔とか、お二人はどんな仕事をしているとか。


おかげで、余計な事を考えずにすんだ。


そんなに長い時間ではなかったけど、自然と笑顔でいれた。


「…さて、着いたわよ、笑美ちゃん。」


「柿原家へようこそ。」


う、わあ…。


綺麗なお家…。


「ほら、笑美。入るぞ。」


「あ、うん!…おじゃまします。」


「んもー。これからこの家に帰ってくるんだから、おじゃましますは止めてよ。」


あ、そうなのか…。


「え、えっと…。た、ただいま…?」


少し、声小さくなっちゃった。


「フフッ。おかえりなさい!」


「愛衣、あまり無茶は言わないようにね?さあ、疲れただろう。何か飲みたいものはあるかな?」


「…特には。」


「母さん、ピーチティーあったか?」


「あるわよー?」


「え、優くん?」


「お前な、さっき桐沢たちに言われた事もう忘れたのか?」


『甘えろ』ってやつ?


「覚えてる、よ?」