君と過ごした日

「…それじゃあ、先生は仕事に戻るけど、帰るときは誰かに声かけてね。」


「うん。先生、」


「ん?」


「いつも、ありがとう。」


こんな言葉じゃ足りないくらい感謝してるけど、それと同時に、沢山迷惑かけた。


それでも、ここでわたしが謝ると、先生は悲しそうな顔をするだけだから。


それは、長い間先生に見てもらってきて理解したから。


だから、謝るんじゃなくて、ありがとうを伝えるの。


そしたらほら、


「…ハハッ。どういたしまして。」


笑ってくれるでしょう?


―ガラガラ…


「さて、笑美ちゃん。お話は帰ってしましょうか。」


「あ、はい。」


「敬語は、使わなくていいんだからね。」


「え?」


それは、お世話になるのに…。